実践投資記録 / 銘柄事例

上場1年半で約30倍に
キオクシアの事例から考える「なぜ持つのか」

個別銘柄の過去の値動きを事例として紹介するものであり、将来の株価上昇を示唆・保証するものではありません。売買を推奨するものでもありません。

2024年12月に上場したキオクシアホールディングスの株価は、約1年半で30倍近くまで上昇したとされています。「知っていたのに買えなかった」「急騰してから気づいた」——そういう声を、最近よく聞きます。

この話はキオクシア固有の話というより、数字の裏にある「構造」を読めるかどうかが投資家としての差になっていく、という一つの事例として紹介します。

なぜキオクシアの株価が上昇したのか

キオクシアは、NAND型フラッシュメモリーを製造する日本の半導体メーカーです。スマートフォンやPCにも使われますが、近年需要が拡大しているのがAIデータセンター向けのSSDです。

同社発表の決算数値(会社発表ベース)

2026年3月期の決算では売上高が2兆円を超え、純利益は前年比約2倍の5,544億円になったとされています。また、2026年4〜6月期の純利益について、前年同期比48倍という会社側の見通しが発表されています。

上記の数値は同社の決算発表・業績見通しに基づくものであり、著者が独自に検証したものではありません。業績見通しは今後の状況により修正される可能性があり、確定した実績を示すものではありません。過去の株価・業績は将来の株価・業績を保証するものではありません。

NANDメモリーの需要が供給を上回り、価格が上昇したことが業績を押し上げた背景として語られています。これが一時的な動きなのか、数年単位の傾向なのかは、今後の市況によって変わり得ます。

「知っていたのに買えなかった」について

AI・半導体に関する話題は以前から広く語られていましたが、「知っていたのに動けなかった」という声もよく聞きます。

「もう上がりすぎている気がする」「どこで買えばいいかわからない」「もし下がったら怖い」——これは情報の有無だけの問題ではなく、判断の軸が定まっているかどうかに関わる部分だと私は考えています。情報を持っていても、決断できるかどうかは別の話です。

今からでも遅いのか

キオクシアは記事執筆時点で高値圏にあるとされています。大きく上昇した株を、今から同じ期待値で検討できるかどうかは慎重に考える必要があります。

一方で、NAND市況は歴史的に需給サイクルで大きく変動することが知られており、業績・株価が今後も同じペースで推移する保証はありません。「上がるかどうかを当てる」ことよりも、「自分はなぜこの銘柄(またはテーマ)に関心を持つのか」を言語化できているかどうかが、判断の軸を保つうえで重要だと私は考えています。

投資判断より先に整えておきたいこと

コンサルティングの中でよくお伝えすることの一つに、「どの銘柄を買うか」より先に「自分はどんな投資家でいたいのか」を考える、という視点があります。軸が定まっていないまま情報だけを追うと、判断のたびに迷いやすくなります。

結果として大きく値上がりした銘柄を持てた人と持てなかった人の差は、能力の差というより、判断軸の有無による部分もあるのではないかと私は考えています。

この記事の要点

  • キオクシアの株価上昇は、過去の実績・会社発表に基づく一つの事例として紹介
  • 「48倍」等の業績見通しは会社発表ベースであり、確定した実績ではない
  • 過去の株価・業績は将来の成果を保証するものではない
  • 「上がるかどうか」より「なぜ持つのか」を言語化できているかが判断の軸になる
  • 最終的な投資判断は、必ずご自身の責任で行う

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